人工知能の産業化を真剣に考えるブログ

人工知能にオックスフォード大学の研究発表で仕事が奪われると言われているが、実際の産業にAIが導入される場合にどうなっていくのかを考えるブログ

人工知能とはそもそも何か?

人工知能に多少なりとも興味があるなら、「この本は読んでおかなくては」と勧められたのが、松尾豊『人工知能は人間を超えるか』(角川EPUB選書)だ。

 著者によれば、「人工知能とは何か」には、専門家と世間の間でずいぶんかけ離れた解釈がなされているという。なぜなら、人工知能の定義は専門家の間でも定まっていないからだ。

 ちなみに松尾氏の定義では、人工知能は「人工的につくられた人間のような知能」であり、人間のように知的であるとは「気づくことのできる」コンピュータ、すなわちデータの中から特徴量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味だという。

 しかし、「『知能を持つメカ』ないしは『心を持つメカ』」と定義する学者もいれば、「究極には人間と区別がつかない人工的な知能」とする学者もいる。中には「知能の定義が明確でないので、人工知能を明確に定義できない」とする学者もいる。

 しかし、世間的に「人工知能を搭載した製品」はすでにルンバやエアコンなどにまかり通っている。これらは松尾氏からすると「レベル1の人工知能」であり、ハインラインの『夏への扉』に出てくる文化女中器(ハイアード・ガール)などは「レベル2」、機械学習を取り入れた人工知能が「レベル3」で、ディープラーニングを取り入れた人工知能は「レベル4」に位置づけられるのだという。