人工知能の産業化を真剣に考えるブログ

人工知能にオックスフォード大学の研究発表で仕事が奪われると言われているが、実際の産業にAIが導入される場合にどうなっていくのかを考えるブログ

一次産業へのAI導入の可能性

仮に農業(一次産業)にAIが導入されると、どういう変化が見込まれるのだろうか。

 例えば「間引き」という作業は、これまで自動化が極めて難しいとされてきた。「どれを間引いて、どれを残すか」の判断を下すことが、機械ではできないからだ。しかし、ディープラーニングを使えば間引きはごく簡単な作業になってくる。「認識ができるか、できないか」すなわち「目があるか、どうか」によって、これまで困難だったタスクが簡単に自動化されてくる。実際に、狭い通路を往復しながらトマトの色、形、位置を正確に読み取り、手作業同様に収穫を行うようなロボットも登場している。

 「読める」ことは、次への飛躍のステップになる。「熟したかどうか」だけでなく、「病気になっていないかどうか」「糖度の高さはどうか」などを読むことができれば、それに対応する施薬や施肥なども適切かつ大量に行なっていけるからだ。センサー技術を活用すれば、視界の悪い夜間でも運用が可能なことは、「収穫時期を外したくない」農家にとって大きな朗報だろう。

 自然環境の側からすれば、人間+機械による「収奪」がさらに徹底されるわけであるが、このあたりへの配慮もAIの設計基準として組み込んでおけば、貪欲な「人類(ないし法人)の暴走」へのストッパーとして働いてくれるかもしれない。